広島東洋カープが新たに獲得を発表したマクブルーム選手。ファンは日本で活躍することができるか気になりますよね。
そこで、この記事はマクブルーム選手がどんな選手なのか・活躍するためのポイントはどこか個人的に考察したいと思います!
広島は5日、新外国人選手として米大リーグのロイヤルズに所属していたライアン・マクブルーム内野手(29)=190センチ、99キロ、左投げ右打ち=の獲得を発表しました。契約金は約3400万円、年俸は約8000万円プラス出来高払いで、背番号は未定です。
本人は、球団を通じて「日本という素晴らしい国でプレーできる機会を与えられたことにとても興奮しています。広島のファンの方々に優勝を届けるためにプレーすることを待ち遠しく思っています」とコメントしました。
マクブルーム選手の特徴は?
マクブルーム選手の最も大きな特徴は長打力です。今季は自慢の長打力を活かし、AAAで32本塁打を放ち本塁打王を獲得しています。身長190センチ、体重99キロとまさにパワーヒッターの体格ですね。
メジャーリーグでも2020年にわずか36試合で6本塁打を放つなどそのパワーは本物といっていいでしょう。
下の動画は今季のマクブルーム選手の本塁打をまとめられたものですが、長打力に申し分ないことが分かりますね。
特徴①:引っ張り方向に大きな打球を放つことができる
動画をご覧いただいた方はお気づきかと思いますが、ホームランのほとんどはレフト方向つまり引っ張った打球となっています。引っ張った方向に強い打球を放つことができるプルヒッターと呼べるかもしれませんね。0:55~のシーンではバットを折りながらレフトスタンドまで打球を運んでいます。とてつもないパワーを持っていることが分かります。
どことなく本塁打を打った後のフォロースルーが元広島のエルドレッド選手に似ている気もします。かつて広島で活躍した助っ人の姿と被るので、マクブルーム選手の活躍を期待しちゃいますね。
特徴②:広角に打ち分けることができる
プルヒッターの特徴をもつマクブルーム選手ですが、引っ張り方向だけではなく右方向やセンター方向へも打つ技術を兼ね備えています。
下の動画では、センター方向やライト方向にヒットを放つ姿が確認できます。内角に来た球は強く引っ張り、真ん中から外よりに来た球はセンター~ライト方向にはじき返しており、広角に打ち分ける技術もあるのではないかと思います。
今シーズンメジャーリーグで放った安打(上の動画1:50~)は2本ともセンターへはじき返した打球です。メジャーリーグの投手の球をセンター方向へ綺麗に打ち返すことがきていますので、広角に打ち分けることができるという技術は本物であると考えられます。
特徴③:変化球も苦にしない?
動画でも分かる通り、変化球も長打にするなど特に変化球を苦手としている印象は現時点でありません。日本に来ると変化球での攻めが増えることが予想されます。ケビンクロン選手は変化球への対応がやや苦手でしたので、その変化球攻めを意識し過ぎた結果、得意のストレートも打ち返せなくなったという悪循環に陥ってしまいました。
マクブルーム選手は特に変化球が苦手といった印象もないので、日本の野球にも対応できるのではないでしょうか?
特徴④:三振が多く、四球が少ない
ここまでは良いところばかり記載しましたが、そんな完ぺきな選手いるはずありません。いたらメジャーリーグでバリバリ活躍しているはずですよね(笑)
では、マクブルーム選手の課題は何でしょうか?
それは、三振率の高さと四球率の低さです。
三振率が高く、四球率が低いということは、三振を良くする一方で四球を選ぶ機会が少ないということになります。下にメジャー3年間でのマクブルーム選手の成績をまとめています。
通算の三振率は34.5%で四球率は6.8%という成績になっており、三振率・四球率ともに悪いことが分かりますね。。。
年度 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 四球 | 三振 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 | 四球率 |
2019 | 23 | 83 | 75 | 22 | 0 | 6 | 7 | 25 | .293 | .361 | .360 | .721 | 30.1% | 8.4% |
2020 | 36 | 85 | 81 | 20 | 6 | 10 | 4 | 30 | .247 | .282 | .506 | .789 | 35.3% | 4.7% |
2021 | 7 | 9 | 8 | 2 | 0 | 0 | 1 | 6 | .250 | .333 | .250 | .583 | 66.7% | 11.1% |
通算 | 66 | 177 | 164 | 44 | 6 | 16 | 12 | 61 | .268 | .322 | .427 | .749 | 34.5% | 6.8% |
といってもサンプルが少ないので、今季のAAAでの成績も見てみましょう。
年度 | 試合 | 本塁打 | 打点 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 |
2021 | 115 | 32 | 88 | .261 | .337 | .525 | .862 | 22.9% |
データ数は少なくなってしまいますが、今季のAAAだけの成績を見ると三振率が22.9%と抑えられていることが分かります。メジャーリーグという高いレベルで三振が多くなってしまっただけなのでしょうか。AAAは日本と同等またはやや上のレベルとも言われますので、日本にくると三振率がさらに改善するということも考えられます。
続いて、主な広島の選手と同じセリーグの助っ人で今シーズンある程度の成績を残した選手の今シーズンの三振率と四球率をまとめてみました。(クロン選手とオースティン選手は規定打席未達)
打率 | 本塁打 | OPS | 三振率 | 四球率 | |
鈴木誠也 | .317 | 38 | 1.072 | 16.5% | 16.3% |
坂倉将吾 | .315 | 12 | .857 | 12.3% | 10.5% |
小園海斗 | .298 | 5 | .718 | 18.1% | 2.7% |
西川龍馬 | .286 | 12 | .733 | 12.7% | 6.7% |
クロン | .231 | 6 | .701 | 34.3% | 4.4% |
ビシエド(中日) | .275 | 17 | .766 | 10.6% | 6.7% |
オスナ(ヤクルト) | .258 | 13 | .694 | 16.2% | 4.4% |
オースティン(横浜) | .303 | 28 | 1.006 | 25.3% | 13.7% |
鈴木誠也選手・坂倉選手と今季の打率1,2位はともに三振率が低く四球率が高いことが分かります。他球団である程度の活躍をした助っ人選手を見るとビシエド選手、オスナ選手は三振率・四球率ともに低く、オースティン選手は三振率・四球率ともに高いといった成績です。一方で、十分な結果を残すことができなかったケビンクロン選手は三振率が非常に高く、四球率は低いといった成績です。
このことから、マクブルーム選手が活躍するためには三振率を抑える、または四球率を向上させることが必要になるのではないでしょうか。
マイナーでの三振率は22.9%と低いことや日本での平均球速はメジャーより6キロほど下がるといったことからもこの三振率を改善する可能性は大いにあると思います!
下の三振集を見ても92マイル(148km)を超えるストレートに空振り三振を喫する場面がよくみられますので、速い球を投げる投手がメジャーリーグほどいない日本では期待してもいいかもしれませんね。高めの釣り球にどれだけ我慢できるかも活躍するためのキーポイントになるでしょう。
特徴⑤:珍しい左投げ右打ちで守備位置はファーストか外野に限られる!
マクブルーム選手は珍しい左投げ右打ちの選手です。左投げということで守備位置もファーストと外野に限られてしまいます。
※左投げの場合、ゴロを捕球してから投げるまでに体勢を変える必要があり、右投げと比較して時間を要するので内野手には向かないとされています
特に守備に難がある様子もないので、守備面を心配する必要はなさそうですね
カープでの起用法、期待される役割は?
今シーズンの広島のチーム本塁打数は123本とリーグ4位に終わってしまいました。チーム打率が.264とリーグ1位にも関わらず、得点数が557とリーグ3位に終わってしまったことにも本塁打数がやや少ないことが影響しているでしょう。
さらに、今シーズンオフには鈴木誠也選手のメジャーリーグ移籍が確実視(鈴木誠也選手のメジャー移籍が決定的に!?【2021年オフ目玉】)されています。今季チームトップでリーグ3位の38本塁打を放った鈴木選手がいなくなると本塁打数も一気に減ってしまいます。
そのため、長打を多く打てる打者が必要です。マクブルーム選手にはその役割を担ってもらうことが期待されます。シーズンを通して最低20本塁打打つことが求められるでしょう。
打順としては、クリーンアップを担うことが期待されます。4番打者がいなくなるので、できれば4番を担ってほしいですね。坂倉選手や西川選手といった4番打者候補もいますが、二人ともパワーヒッターというタイプではなくどちらかというと3番や5番を打たせる方が良いと思うので、4番にマクブルーム選手が入ってくれることで、打順も組みやすくなるのではと思います。
マクブルーム選手には4番打者として鈴木誠也選手の穴を埋める活躍を期待したいですね!
守備位置に関しては、ファーストと外野をローテーションで守ることになるのではないでしょうか。かつてのエルドレッド選手がレフトとファーストを守っていたように、マクブルーム選手もファーストとライトまたはレフトを他の選手の兼ね合いをみて守ることになるでしょう。ファーストには坂倉選手もいるので、坂倉選手がファーストで出場する時は外野で、坂倉選手がキャッチャーで出場する時はファーストで起用されるはずです。
まとめ
今回は広島が新たに獲得を発表したマクブルーム選手について自分なりの考察をまとめてみました。
長距離砲の獲得ということで期待も大きくなりますよね!
【マクブルーム選手注目ポイント】
- 2021年AAAで本塁打王に輝くパワーの持ち主
- 広角に打ち分ける技術もある
- 変化球を苦にする印象もなし
- 右投げ左打ちで守備位置はファーストか外野
- 懸念点は、高い三振率と低い四球率
- 日本で活躍するためにはいずれかの指標の改善が必要
- 日本では三振率を改善できる可能性あり
以上のポイントに注目しながら、引き続きマクブルーム選手に注目したいと思います!
早く日本でプレーする姿を見たいですね!
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