広島東洋カープは2月11日・12日に春季キャンプの第3クールで紅白戦を行いました。
今年初めての本格的な実戦形式での練習です。
紅白戦は味方同士の対戦なので打っても抑えても嬉しい・残念の気持ちが入り交ざって複雑ですが、チーム内での本気の対戦を見ることができるのもこの時期だけなので貴重です。
また、実戦さながらの対戦となり目に見える結果も出るので明暗も分かれやすいです。
今回はこの2試合の紅白戦の結果をまとめ、個人的に気になって選手をピックアップしました!
やっぱり試合を観るのは楽しいですね!この記事では、各選手の詳細成績も確認できるので見逃した方はぜひご覧ください!
紅白戦1試合目(2月11日)紅2ー5白
観衆が「おぉ!」広島ドラ3中村健人に本塁打が生まれたワケ 佐々岡監督絶賛、放物線への道のり – プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
紅白戦初戦は、玉村投手・高橋昂投手の高卒左腕の先発で試合が開始します。主なスタメン・成績は以下に記載します。
まずは紅組のスタメンと成績です。(敬称略)4番には注目のルーキーの末包選手が入りました。
打順 | 位置 | 選手名 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
1 | 右 | 野間 | 中安(盗塁失敗) | 中二 | 遊邪飛 | ||
2 | 左 | 中村奨成 | 四球(盗塁成功) | 中安(2打点) | 右二塁打 | ||
3 | 遊 | 韮沢 | 一ゴロ | 投ゴロ | 二ゴロ | ||
4 | 一 | 末包 | 三ゴロ | 左飛 | 中飛 | ||
5 | 捕 | 持丸 | 左直 | 左飛 | |||
6 | 三 | 二俣 | 二ゴロ | 投ゴロ | |||
7 | 中 | 大盛 | 遊ゴロ | 左直 | |||
8 | 二 | 上本 | 四球 | 一ゴロ |
紅組は上位打線が元気な一方で下位打線からは快音が聞かれませんでした。それだけ、白組先発の玉村投手の出来が良かったのかもしれません。
そんな中結果をしっかりと残す野間選手・中村奨成選手はさすがですね。
紅組の投手成績は次の通りになっています。
投手 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 | 自責点 |
高橋昂也 | 3 | 15 | 8 | 2 | 0 | 5 | 5 |
中崎 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
森浦 | 1 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 |
先発の高橋昂投手が3回を投げて5失点とやや残念な結果に終わっています。四球こそないものの少し打ち込まれすぎていたように思うので、次回の実戦登板までには改善してほしいと思います。
高橋昂投手の後を受けた中崎投手・森浦投手のリリーフは完璧でした!
続いて白組のスタメンと打者成績です。こちらは4番に堂林選手が入るという布陣でした。
打順 | 位置 | 選手名 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
1 | 中 | 宇草 | 右安 | 空三振 | 見三振 | ||
2 | 右 | 中村健人 | 右本(2打点) | 見三振 | 二ゴロ | ||
3 | 遊 | 小園 | 二ゴロ | 中安 | 中直 | ||
4 | 一 | 堂林 | 中安 | 右中二+エラー(1打点) | 空三振 | ||
5 | 三 | 林 | 三飛 | 中安(1打点・盗塁失敗) | 空三振 | ||
6 | 左 | 正随 | 左二(1打点) | 中安(走塁時アウト) | |||
7 | 二 | 羽月 | 遊ゴロ | 中飛 | |||
8 | 捕 | 石原 | 中飛 | 三ゴロ |
こちらは堂林選手と正随選手が複数安打を放つなど、今年期待される選手が順調に結果を残しています。何より特筆すべきは中村健人選手でしょう。実戦初打席でホームランを放つという印象に残るデビューでした。
続いて、白組の投手成績です。先発は昨年途中からローテーションにも定着した玉村投手でした。
投手 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 | 自責点 |
玉村 | 3 | 13 | 3 | 0 | 2 | 2 | 2 |
小林 | 2 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
玉村投手・小林投手ともに上々の出来でした。ともに開幕ローテーション入りへいいアピールになったのではないでしょうか。
特に小林投手はストレートの良さが際立っていました。中村奨成選手に打たれたツーベースヒットも完璧に捉えられたというよりは、一塁線ギリギリのコースヒットのような長打でしたので、クリーンヒットは浴びていません。与四球がないのも立派ですね。対外試合での登板がますます楽しみになるピッチングでした。
それでは個人的に気になった選手をピックアップしたいと思います。
衝撃デビュー!中村健人選手
この試合で最もアピールに成功したといっても過言ではないでしょう。
高橋昂投手の初球を捉えると打球はレフトスタンドへ飛び込みます。初打席で自慢の長打力をアピールしました。
真ん中に入ってくる甘いカットボールとはいえいきなりホームランにする力は素晴らしいです。実戦初打席ということもあり慎重にいきたくなるところですが、初球から打ちに行くことができました。しっかりと準備ができていた証拠ですね。
おそらくストレート待ちだったのでしょうか、ややフォームが崩されていましたがそれでも粘ることができたため、ボールを上手く乗せてレフトスタンドへ運ぶことができました。長野選手もこういった打ち方がうまいですよね。
シート打撃では右中間方向への長打も放っていましたし、広角に長打を打つことができる選手だとあらためて思いました。この試合のホームランからも長打力を兼ね備えていることも再確認できました。
今春のキャンプでは末包選手に注目があつまることが多かったですが、一気に中村健人選手が注目の的になりましたね。
ただ、このホームラン以降の打席では後述の2月12日でも無安打と計5打数1安打2三振となっています。ここら辺はまだ入団したてのルーキーですので率を残すことが課題でしょう。
中村健人選手も上述の長野選手と同じように、振りに行く中でタイミングを合わせていくタイプの選手に見えました。このタイプの選手は四球数が少なくなる傾向もあるので、いかにミスショットを減らすかが課題になります。今後の中村健人選手に注目です!
ルーキーですが社会人卒ということもあり期待が膨らみます!課題もありますが非常に楽しみな選手です!
若手にはまだ負けない!堂林選手
白組の4番に入った堂林選手もしっかりと結果を残しました。
特によかったのは2打席目のツーベースヒット。外に来た甘いストレートを捉えると打球は右中間を破りツーベースヒットとなります。さらに、野間選手がクッションボールの処理に手間取る際にしっかりと三塁を陥れるそつのない走塁も。
逆方向への打球が伸びるという堂林選手らしい一打になりました。
「左肩が入りすぎる」という課題もある堂林選手ですが、この打席はそこまで気にならなかったので改善されているように思います。(それでもほかの選手と比べると入っていますが)
この調子で左肩が入りすぎないことを意識していれば2020年のようなバッティングを取り戻せるかと思います。
気になったのは3打席目の三振です。森浦投手の投球が素晴らしかったのはありますが、追い込まれた後に外に逃げるチェンジアップを簡単に空振りして三振となりました。
先日のシート打撃でも床田投手に同じようにチェンジアップを決め球として三振におさえられていたので、リプレイを見ているような感じでした。さらに、後述の12日の試合でも床田投手からこの”外のチェンジアップ”を決め球に三振に抑えられました。
基本的に変化球の対応へ課題のある選手でしたが、新たに”左投手の外へ逃げるチェンジアップ”に大きな課題があるように思われます。
右打者からしたら外に沈む変化球であり打ちに行った場合対応が難しくなると思いますが、なんとか対応方法をみつけないといけません。
2020年のように追い込まれるまでにストレートを確実にたたくか、外に逃げるチェンジアップをなんとかしてファールにする技術を身につけるかしなければなりません。もちろん、見逃すことができるようになるのが一番ですが、チェンジアップの見極め自体難しいので、すぐにその技術を身につけるのは難しいでしょう。
今永投手や岩貞投手など左腕投手でチェンジアップを武器にしている選手がセリーグには多いので、開幕までにこの課題を解決する術を見つけていてほしいですね。
盗塁がめちゃくちゃうまい堂林選手
堂林選手はこの試合で盗塁を決めると12日の試合でも盗塁を成功させています。
どちらもフォームを完璧に盗んだ盗塁です。
個人的に堂林選手がチームで一番盗塁技術があると思っています!投手の癖を見抜くのがうまいのでしょうか?
2020年には17盗塁決めていますし、実績もあります。さらに、失敗も4つのみと成功率が非常に高いです。
足の速さ自体はそこまでだと思いますが、スタートの上手さでカバーしている感じですね。
昨シーズンのチーム最多盗塁数は9と盗塁数が少なかったので、盗塁技術に長け盗塁成功率も高い堂林選手に今年は最低二桁盗塁は達成してほしいですね!
堂林選手はサードをやらないのか?
個人的な希望ですが、堂林選手にはサードを守ってほしいと思っています。
ここまで春季キャンプの練習で三塁守備についていたシーンは見かけたことがありません。
ファーストや外野は比較的有望な選手が飽和気味のポジションですが、サードにはそこまで選手がそろっていません。
キャンプでは林選手・二俣選手が主に三塁を守っていますが、まだ林選手はフルシーズン一軍に帯同したことがありませんし、実質的に今年が一軍二年目となるので”二年目のジンクス”という壁に当たる可能性も高いと考えています。
二俣選手は今後どうなるか分かりませんが、現時点では育成選手でサードへのコンバートも挑戦して日が浅いです。
その他のサード候補としては現在二軍の田中選手や三好選手もいますが、打力を考えると堂林選手に期待してしまいます。
何か事情があるのかもしれませんが、2020年のようにシーズンに入って急遽サードへ挑戦するといったことにならないように、今のうちからサード起用を見たいですね。
個人的にですが、堂林選手のサード守備にはもうそこまで不安は感じていません。送球にはやはり難がありそうでしたが、捕球・守備範囲は十分な能力があると思います。ファーストに捕球能力に長けた選手を置くことで不安も軽減されるのではないかと思っています。
今後の堂林選手の起用に注目です!
【カープの主なレギュラー候補】
- ファースト:マクブルーム選手、坂倉選手、堂林選手、末包選手
- サード:林選手、田中選手、三好選手、上本選手、(二俣選手)
- 外野:西川選手、野間選手、宇草選手、中村健人選手、中村奨成選手、大盛選手、末包選手
私の中では堂林選手=サードのイメージが強いです。ファーストの守備もうまいですが、ファーストとしては打力に物足りないと思ってしまうので、サード堂林がいいのではないでしょうか。
と、色々と書いているうちに堂林選手がサードの練習をしているという情報を発見しました!
サードでの出番にも備えて今後の実戦ではサードでも起用してほしいと思います!
復活の兆し!中崎投手
三連覇に貢献した中崎投手も素晴らしい投球内容でした。1イニングを投げて無安打のパーフェクトリリーフです。石原選手が放った打球はあたりがよかったものの守備の正面でした。
個人的には宇草選手へのピッチングが完璧でした。2球で簡単に追い込むと最後はツーシームをインコースにしっかりと決め、見逃し三振に抑えています、
宇草選手も腰が引けていたので、相当キレのあるツーシームだったのではないでしょうか。
中崎投手といえば、この左打者へのインコースのツーシームが武器の一つです。ぎりぎりのコースにコントロールされたツーシームはなかなか打たれません。
不調だった2019年~2021年まではこのツーシームのキレも制球もいまいちだったので、良かったころのツーシームに戻りつつある今年は期待が持てます。
ホームランを放っている中村健人選手に対しても低めのスライダーを打たせてセカンドゴロに抑えており、スライダーの仕上がりもまずまずのようです。
中崎投手はこのスライダーも武器の一つで、調子が良かったころは決め球としてだけでなく左打者相手にカウントを稼ぐ球としてスライダーを投げていました。今年も同じようにスライダーを決め球・カウント球として投げれるようであれば、全盛期に近い投球ができるのではないでしょうか。
今のカープの中継ぎ陣は若いメンバーが多いので、中崎投手の経験やメンタル面の強さは若手メンバーの良い見本になると思います。
ブルペンに中崎投手がいるだけで他の選手も心強いでしょう。今年は勝ちパターンの一人として中崎投手が復活することを期待しています!
ストレートのスピード・球威も良かったころの水準に戻ってきている感じもします。今年は中崎投手の復活年になるのではないでしょうか。
紅白戦2試合目(2月12日)紅3ー2白
2月12日には紅白戦2試合目が行われました。
先発はこちらも開幕ローテーション入りを争う遠藤投手と大道投手です。ともに2022年ブレイク候補選手として私が期待している選手でもあります。
それでは、主なスタメン・成績は以下にまとめます。
まずは紅組のスタメンと成績です。(敬称略)
打順 | 位置 | 選手名 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
1 | 中 | 宇草 | 遊ゴロ | 中三(2打点) | 右中三 | ||
2 | 右 | 中村健人 | 三ゴロ | 三ゴロ | 空三振 | ||
3 | 遊 | 小園 | 空三振 | 投ゴロ | 左飛 | ||
4 | 一 | 堂林 | 左飛 | 左安 | 空三振 | ||
5 | 三 | 林 | 右中二 | 左飛 | 二ゴロ | ||
6 | 左 | 正随 | 左安 | 左飛 | |||
7 | 二 | 羽月 | 中犠飛(1打点) | 左飛 | |||
8 | 捕 | 石原 | 左安(正随選手好走塁) | 一邪飛 |
紅組はバッティングが期待される選手がしっかりと結果を残しています。宇草選手はスリーベース2本と自慢の長打力と足の速さを見せつけてくれました。堂林選手はしぶとくセンター前へヒットを放っています。
その他、林選手も右中間を破るツーベースを放ったり正随選手も二試合連続安打を放っており、状態の良さをアピールしています。
続いて、紅組の投手成績です。
投手 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 | 自責点 |
遠藤 | 3 | 12 | 4 | 1 | 0 | 1 | 1 |
塹江 | 1 | 4 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 |
島内 | 1 | 4 | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 |
先発した遠藤投手の好投が光りました。この日はストレートの伸びはもちろん、コントロールもよかったです。スライダーの制球もよく、時折投げる大きく曲がるカーブも効果的でした。
後続の塹江投手はランナーこそ出したものの、無失点に抑えています。
一方、セットアッパーとしての活躍を期待している島内投手はいまいちでした。先頭の大盛選手にストレートを完璧に捉えられ本塁打にされると、上本選手にもストレートを打たれツーベースとなります。自慢のストレートが打ち込まれる心配な投球内容でした。
ただ、中村奨成選手からは追い込んだあとにチェンジアップを続け、見事空振り三振に抑えています。自身も昨シーズンの躍進の要因であると語っていたこの”チェンジアップ”のクオリティはよさそうです。制球を大きく乱すこともなかったので、大きな心配はいらないかもしれません。
続いて、白組のスタメン選手と成績です。この試合、急遽一軍参加が決まった高卒ルーキーの田村選手が7番レフトでスタメン出場しています。
打順 | 位置 | 選手名 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
1 | 右 | 野間 | 一邪飛 | 右安 | 二直(併殺) | ||
2 | DH | 中村奨成 | 二ゴロ | 二併(1打点) | 空三振 | ||
3 | 遊 | 韮沢 | 右飛 | 空三振 | |||
4 | 一 | 末包 | 三ゴロ | 遊ゴロ | |||
5 | 捕 | 持丸 | 遊ゴロ | 空三振 | |||
6 | 三 | 二俣 | 中安 | 四球 | |||
7 | 左 | 田村 | 左二 | 空三振 | |||
8 | 中 | 大盛 | 一ゴロ | 右本(1打点) | |||
9 | 二 | 上本 | 遊安 | 左中二 |
白組は中軸から快音が聞かれませんでしたが、下位打線の奮闘が目立ちました。田村選手はツーベースをいきなり放つなどインパクト十分のデビューです。
大盛選手も豪快な一発がありました。パンチ力もあるところが大盛選手の魅力ですよね。守備・走塁は外野メンバーの中では一番だと思うので、打撃でのアピールが続けばセンターのレギュラー奪取もありえます
上本選手も負けじと二安打のアピールです。ただ、最終回野間選手のセカンドライナーで飛び出していたのはいただけません。どちらかというと守備・走塁で期待される選手なので、あのようなミスをなくさなければなりませんね。
投手 | 投球回 | 打者 | 被安打 | 奪三振 | 与四球 | 失点 | 自責点 |
大道 | 3 | 14 | 5 | 1 | 0 | 3 | 3 |
床田 | 2 | 7 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 |
先発した大道投手は初回を5球で抑える上々のスタートでしたが、2回に相手打線につかまり三失点を喫します。四球はありませんが、要所要所でのコントロールがアバウトになり、甘く入ったストレートを捉えられる場面が多かった印象です。同じく開幕ローテーション入りを争う遠藤投手が好投しただけに、少し残念な結果となってしまいました。
二番手の床田投手は圧巻でした。特にスライダーのキレがよかったように思います。右打者に食い込むあのスライダーはなかなか打たれることがないでしょう。宇草選手に打たれたストレートこそやや甘くなっていましたが、その他はコントロールミスもなく制球も安定していました。チェンジアップも右打者相手に有効ですし、開幕ローテーション入りはほぼ当確ではないでしょうか。
第2クールに引き続き床田投手のアピールが続いています!
それでは、この試合で気になった選手を個人的にピックアップしていきます!
開幕ローテーション入り濃厚か?遠藤投手
まずは紅組先発の遠藤投手。2022年のブレイクが期待される選手でもあります。
この日は課題の制球面でも苦しむことなく、3回を投げて無四球です。四球以外にも、ストレートは低めに集まっており、スライダー・落ちる球も良いコースに決まっており、仕上がりの良さが伝わってきました。
また、自慢のストレートの伸びもよかったようで、多くの打者は遠藤投手のストレートに差し込まれていました。やはり、遠藤投手のストレートは魅力的です。
今日のようなピッチングを対外試合でも続けることができれば、開幕ローテーション入りは間違いないと思います。
個人的には3回・連打でピンチとなった場面で動じなかった点に遠藤投手の成長を感じました。一昨年の遠藤投手はランナーをためると、そこから崩れるといったシーンが多くみられましたが、この試合はこのピンチでも動じずに、制球を乱すことなく外に投げ込んだストレートで中村奨成選手を併殺打に抑えました。
昨年までであれば崩れていたかもしれない場面を最少失点で切り抜けることができた遠藤投手から成長と今年のブレイクを感じ取りました。
遠藤投手の開幕ローテーション入りへ期待が膨らみます!
まだまだ今後の対外試合次第でしょうが、現時点では遠藤投手がローテーション争い一歩リードかもしれません!
二本のスリーベースで猛アピール!宇草選手
本ブログですでに何度も取り上げている宇草選手。紅白戦でもしっかりと結果を残しています。
大道投手からはストレートを捉えてセンターの頭を超えるスリーベースヒット、床田投手からもストレートを捉え右中間を破るスリーベースヒットを放ちました。
大道投手、床田投手から打ったボールはともに真ん中内側よりのストレートで、宇草選手はこのコースに来た真っすぐであればほぼ確実に捉えることができます。ストレートに強いことは大きな武器なので、このゾーンのストレートの対応力の高さは魅力です。さらに、長打力もあるため捉えた打球は大きくなります。あらためて魅力的な選手です。
一方でここまでは、外のボールへの対応や変化球への対応はあまり確認できていません。宇草選手の場合、”かかと打ち”になるといった悪い癖があり外のボールへの対応が課題です。また、積極的に打ちにいくタイプであるため、ボール球となる変化球にも手を出してしまい空振り・凡打となる場面がよくみられます。
この外のボール・変化球への対応力があがれば、打率もあがると思います。
今は紅白戦なのでストレートも多く投げられていますが、公式戦では弱点を突かれることになるでしょう。その時のために、苦手な外のボール・変化球は食らいついていき、得意のコースにきたストレートを捉えるといったスタイルを確立していく必要があると思います。
また、上述の”かかと打ち”も完全に改善している様子ではなく、このキャンプでも追い込まれるとこの”かかと打ち”で当てただけのバッティングになるシーンも見られました。まだまだ、この”かかと打ち”の改善は必要のようです。
以下の記事にも記載していますが、1番打者として起用することで塁に出るという意識が強くなり積極性が失われ当てに行くバッティングになっていることも考えれます。
やはり、宇草選手は積極性・長打力を活かすためにも5番や6番などでの起用がいいのではないかと思いますね。
引っ張って放つ長打は素晴らしいですね!あとは逆方向への長打も見せてほしいです!
鮮烈なデビュー!高卒ルーキー・田村選手
この試合最も注目を浴びたのは田村選手でしょう。
前日、打撃コーチからの希望により急遽一軍キャンプへの参加が決まった田村選手、いきなり紅白戦に出場すると初打席でレフトオーバーのツーベースヒットを放ちます。広島 ドラ4・田村が1軍キャンプ合流 佐々岡監督が説明「打撃コーチが見たいと」/広島カープ/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
高卒ルーキーなので、まだ卒業式は迎えていないのでいわば高校生ですよ?にもかかわらずプロの球をいきなり捉えるのは将来の期待が大きくなります。
ヒットとなった打席でのアプローチも素晴らしく、初球の入りはスライダー、縦に大きく割れるカーブも混ぜるなど遠藤ー石原バッテリーは本気の配球を見せていました。そんな配球にも動じることなく、遠藤投手の自慢のストレートを捉えレフトオーバーのツーベースヒットとなりました。
難しい球は見逃して、自身が打てる球を捉えるという高卒ルーキーとは思えない素晴らしいアプローチでした。また、このストレートも他の多くの選手が差し込まれていたボールでしたので、ストレートにも強いことがわかります。ストレートに強いことは強打者になる条件の一つなので、これからがとても楽しみです!
高卒ルーキーにも関わらず逆方向へ大きい打球を打てるのも才能を感じますね。かつてカープで活躍した丸選手も逆方向へ大きな打球を打つ技術を身につけてから、MVP級の成績を残せるようになりました。その技術をすでに身につけているかもしれない田村選手は将来ビッグな選手になるに違いありません。
ただ、レフトの守備では捕球ミスこそないものの捕球の仕方が危なかったりとまだ課題があるようです。塹江投手相手には簡単に追い込まれて空振り三振をしてしまっていたので、まだまだこれからの選手でしょう。
おそらく今回の一軍合流は”顔見せ”のようなもので戦力としての招集ではないので、沖縄一軍キャンプへの帯同はないと思いますが、今シーズン中の一軍デビューもあるのではないかと思わせるバッティングでした。
今シーズンの田村選手の二軍成績もしっかりとチェックしたいですね!
引っ張って放つ長打は素晴らしいですね!あとは逆方向への長打も見せてほしいです!
まとめ
今回は2月11日・12日の紅白戦の試合結果・気になった選手をまとめました。
今年のブレイクが期待される選手の活躍や将来のブレイクが期待される選手の活躍を見ることができた実りのある紅白戦でした!
日南キャンプは明日で終了し、来週からは沖縄へ移動してのキャンプです。2月16日にはシーズン初となる横浜との対外試合も予定されるなど、対外試合もいよいよ始まります。
対外試合ではどの選手が結果を残してくれるのでしょうか?引き続きカープのレギュラー争いから目が離せません!
気になる今後の春季キャンプや練習試合のスケジュールは以下の記事で確認できます!
開幕に向けてカープの試合中継を見る準備は整っていますでしょうか?以下の記事で、カープの全試合中継をテレビ・ネットで見る方法を実体験を基にしたメリット・デメリット付きで紹介しています!ぜひチェックしてみてください!
コメント