2021年シーズン、セリーグ打率ランキング2位にランクインしブレイクを果たした坂倉選手。
カープOB で同じ捕手の石原慶幸氏との特別対談で2022年の目標と2021年の飛躍の理由を語っています。
2022年は「捕手で優勝」が目標
広島・坂倉 22年の目標は「捕手で優勝」 石原慶幸氏と対談(1)/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
2016年のドラフトで「捕手」として指名され、入団を果たした坂倉選手。ルーキー時代から打てる捕手として期待されていました。
しかし、今のカープには日本代表にも選出される會澤選手や守備力に定評のある石原選手といった優秀な捕手がたくさんいます。
そのため、現状のカープで捕手を固定して起用されることはなく先発投手との相性などを踏まえてスタメン捕手が決められている状況です。
坂倉選手も2021年は自己最多の132試合に出場したものの本職の捕手としての出場は62試合のみで、サブポジションのファーストでの出場数62試合と同程度でした。
かねてより本職の捕手としての出場を希望している坂倉選手にとっては悔しいことでしょう。捕手として62試合の出場は會澤選手の55試合、石原選手の56試合を上回っておりチームトップではありますが、「全試合捕手で出場」することが坂倉選手の目標のようです。
捕手には格別なものがある
坂倉選手が捕手にこだわる大きな理由は「捕手には格別なものがある」ためと語っています。
「捕手は苦しいことばかりですが、苦しいことをやるからこそ喜びがある。そこを乗り越えた先に、絶対に違うものがある。(捕手で勝つのは)1試合だけでもうれしい」とも語っており、捕手を経験したものしかわからない喜びがあることがわかります。
たしかに、捕手は投球の組み立てを考えなければならず、失投以外で投手が打たれた責任は捕手のリードにあると考えられます。そのため、「なぜそこでその球を要求したのか」「なぜ外角一辺倒なのか」などと首脳陣やファンから批判を受けるシーンも目立ちます。
相手を抑える組み立てを考えるためには、相手打者の特徴や見方投手の調子など様々な要素を頭の中に入れたうえで分析する必要があるので、「野球脳が高い」ことが求められるポジションです。
その他にも守備位置のサインを出す役目や盗塁を阻止する役目もあるなど、守備において捕手の役割は重要なものとなっています。
上記の役割以外にもボールを後ろへ逸らさないために「ブロッキング」や少しでも有利な判定をうけるために捕球の瞬間にわずかにミットを動かす「フレーミング」といった細かいけれど高度な技術も求められます。
このように、捕手には重要な役割や求められる要素が多いため、坂倉選手が語るように「捕手は苦しいことばかりですが、苦しいことをやるからこそ喜びがある。」のだと思います。
カープの優勝に正捕手として貢献したOBの石原氏も坂倉選手と同様に「捕手というポジションはやった人にしか分からない特別なものがあるからね。優勝できたら喜びも格別だと思うよ」と語っているので、「捕手」というポジションは特別なポジションであることがわかります。
石原「捕手の醍醐味(だいごみ)、捕手にこだわる理由は」
坂倉「捕手で優勝したいというのが一番です。正直、一塁手として優勝してもうれしいとは思うんですけど、それとは絶対に違う、格別なものが捕手にはあると思っています。それを自分が正捕手として味わいたいというのがあるので。それが一つの夢と言ったらおかしいですけど、自分の最大の目標でもあるので、そこにこだわり続けたいです」
石原「そこまで捕手の魅力を感じられるものって何だろう」
坂倉「苦しいことばかりですが、苦しいことをやるからこそ喜びがある。そこを乗り越えた先に、絶対に違うものがある。(捕手で勝つのは)1試合だけでもうれしいので、それをシーズンを通して経験して優勝できたらと考えた時に、やめられないなというのはありますね」
石原「捕手というポジションはやった人にしか分からない特別なものがあるからね。優勝できたら喜びも格別だと思うよ」
広島・坂倉 22年の目標は「捕手で優勝」 石原慶幸氏と対談(1)/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
一塁を守ることで学んだことも
62試合出場した一塁手のポジションから学んだこともあったようです。
「ベンチから見るリードや投手の表情、打者の反応などが一塁から見るのとでは全然違いました。『アツさん(会沢)はこうしている』『石原貴規さんはこうしている』というのをすごく見ることができたし、そういうものを参考にして自分に取り入れようとしていましたね」と語るように、一塁手として試合に出場しながら、會澤選手や石原選手のリードを学べたようです。
他の選手のリードを学ぶことで、坂倉自身のリードの幅も広がるので捕手としてのレベルもアップできたのではないでしょうか。
来季はファーストに加えてサードでの出場も想定されているようなので、サードの守備に就くことでまた新たに見えてくるものがあるかもしれません。
課題はまだまだたくさんある!
捕手をする中で坂倉選手自身が感じる課題はまだまだ多くあるようです。具体的には、キャッチング、ワンバウンドの球への対応、スローイングに改善点を感じているようです。
たしかに、坂倉選手の今季の盗塁阻止率は規定未達ながら.250でリーグ1位の盗塁阻止率.447(巨人大城選手)と大きな差があります。盗塁阻止は投手とのクイックとの兼ね合いなどもあるものの、阻止率.250は少し物足りません。
その他にも、本人が語る通りシーズン中は試合を通して落ちる球への対応もあまりよくなかったように思います。そのせいもあってか、9回に落ちる球が得意の栗林投手が登板する際は坂倉選手から石原選手や會澤選手へ捕手が交代するといった試合もありました。
本人として試合の途中で捕手を交代させられるほどの屈辱はないでしょう。今季は本人が口にした課題を改善し、試合を通じてフル出場任されるような捕手になってほしいです。
リード面に関しては、「同じボールを続けることが怖くなくなりました。」と語っています。そうすることで、同じボールを続けて要求することができるようになり、リードの幅が広がったようです。
まだまだこれから捕手としてリードでの失敗も多く味わうと思いますが、一つ一つを今後の糧として坂倉選手にも球界を代表するキャッチャーになってほしいですね。
會澤選手の壁は高い!
坂倉選手は會澤選手について、「存在感や醸し出す空気感と間合いが凄く、試合を支配していると感じた」と語っています。
昨シーズンは怪我の影響で出場試合も少なかった會澤選手ですが、怪我がなければ東京オリンピック代表に選出される予定であるなど、今や日本を代表する捕手です。素人では感じることができないような、”凄み”が會澤選手にはあるのでしょう。
そんな捕手が同じチームにいることは坂倉選手にとって大きなプラスです。
打撃面では昨シーズンこそ坂倉選手が上回りましたが、會澤選手も元々は打撃に定評のある選手だったので、来季は會澤選手の成績が上回る可能性もあります。
そうなると坂倉選手の「捕手」としての出場機会は減ってしまうかもしれません。
「捕手」としての出場を増やすためには自慢の打撃と捕手としての能力をさらにレベルアップする必要がありそうです。ライバルでもある會澤選手の良いところを一つでも多く盗んで、レベルアップしてほしいですね。
石原「それは楽しみだね。捕手っていろんな経験をしないといけない。リードもそうだけど、失敗と成功の積み重ねが大事。そういう経験を繰り返していくことで、もっと違う感覚でプレーできるようになってくる。会沢もそうやってレギュラーの座をつかんでいった。坂倉にとって会沢はどんな存在?」
坂倉「一塁から会沢さんのプレーを見て感じたのは『やっぱり違うな』と。そのすごさが、なおさらよく分かりました。グラウンドに立っている存在感、醸し出している空気感と間合い。本当に試合を支配していると感じた。近づきたいという思いがさらに強くなりました」
石原「存在感や雰囲気というのは自分から出そうと思わない方がいいよ。必死にやった結果、自然と出てくるものだから。とにかく必死にプレーして、たくさん考えることで落ち着いたプレーができるようになってくる。最後に、今季の抱負を聞かせてほしい」
坂倉「昨年は捕手としてチーム最多出場(62試合)でしたが、結果Bクラスでした。そこを何とかしたい。もちろん捕手としてもですが、仮に他のポジションで出るようになっても、やはりチームの勝利がうれしいので、そこを第一に。まだ年齢的には若いですけど、しっかりとみんなを引っ張っていけるように頑張っていきたいと思っています」
広島・坂倉 飛躍の理由「一つ一つ整理できるようになった」 石原慶幸氏と対談(2)/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
飛躍の理由は「一つ一つ整理できるようになったこと」
広島・坂倉 飛躍の理由「一つ一つ整理できるようになった」 石原慶幸氏と対談(2)/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
2020年までは規定打席にも到達したことがなかった坂倉選手ですが、2021年は規定打席に到達するとともにリーグ2位の打率を残すなど飛躍のシーズンとなりました。
かねてよりその打力の高さが期待されていた坂倉選手ですが、なぜ2021年これほどまでの好成績を残すことができたのでしょうか。
真っすぐへの対応力の向上
技術的な面では「力強い真っすぐを簡単に空振りしなくなったこと」が飛躍の理由と語っています。以前は空振りしていたような真っすぐをファウルにすることができるようになったため、粘るうちに失投が来るようになったとのこと。
そのため、打席の中で打つことができる球が増え、高打率を残せたのだと言います。
なぜ、真っすぐへの対応力が上がったのいかは本人も正確には分かっていないようですが「スイング軌道は自分なりに『ここを通る』というのが分かってきました。『ここの球はバットをこういうふうに出せば』というのが、だいぶ体に染みついてきたのが一つの要因」と語っています。
その他には、一軍の投手の球に慣れてきたということも大きな要因として考えられます。
1年目に二軍で三振率.134という驚異的な数字をたたき出しており、注目を浴びていた坂倉選手。一軍投手の球にも慣れたということになると、今季さらなる飛躍が期待されます。
頭も気持ちも整理できるようになった
気持ちの面では「一つ一つを整理できるようになった」ことが要因と語っています。
以前は投手が打たれた後は、自身が出したサインのことなどを考えて引きずったまま打席に立っていたようですが、今季は前向きに考えられるようになったことで打席で集中することができるようになったようです。
これは、捕手ならではの視点かもしれませんね。
来季は新たなポジションとしてサードに挑戦する可能性もありますが、サードでエラーしたとしても引きずらずに打席では切り替えることが必要になってくるのかもしれません。
石原「それでも捕手と一塁の掛け持ちでシーズンを完走。これだけの成績が残せた最大の理由は」
坂倉「一つ一つを整理できるようになったことですかね」
坂倉「頭も気持ちもですね。投手が打たれた時の悔しさは常にあるんですが、自分が考えた上で出したサインで打たれると、すごく反省しやすかったです。打席に立っていても捕手のことを考えたりするんですが、前向きに考えられるようになったことで、打席でもいい集中ができていたと思います」
石原「技術的にはどこが良くなったから、この打率(・315)を残せたのかな」
坂倉「力強い真っすぐを簡単に空振りしなくなったのが大きいと思っています。今まで空振りしていた球をファウルで粘ることができるようになったことで失投の球が来たりしました。打席の中で自分でチャンスを増やすことができていたかなと思います」
石原「空振りしなくなったのは、なにかを変えたから?」
坂倉「正直、あまり分からないんですけど、スイング軌道は自分なりに『ここを通る』というのが分かってきました。『ここの球はバットをこういうふうに出せば』というのが、だいぶ体に染みついてきたのが一つの要因かなと思います」
広島・坂倉 飛躍の理由「一つ一つ整理できるようになった」 石原慶幸氏と対談(2)/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
まとめ
今回は坂倉選手とカープOB 石原氏の対談についてまとめました。
来季も坂倉選手はやはり捕手として勝負したいようです。
サードへのコンバート案やファーストとしての出場もあると思いますが、捕手としての出場を増やすためにはやはり捕手としての全体的な能力の向上が必要であるように思えます。
まだまだ年齢的にも若く、成長する選手なのでこれからが非常に楽しみですね。
同じく新春対談として佐々岡監督×カープOBの安仁屋氏、森下投手×栗林投手の対談もまとめているのでそちらもぜひチェックしてください
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坂倉選手のコンバートについての記事や同じく期待の若手・宇草選手や小園選手らについてまとめた記事もあるのでそちらもご覧ください!
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