カープ球団は、4日、メジャーリーグ、レンジャーズなどでプレーしたドリュー・アンダーソン投手(27)と契約を合意したと発表しました。ファンとしては、どんな投手なのか?日本で活躍できるのかが気になるところですよね。
アンダーソン投手は、身長190センチの右ピッチャーで、今季はメジャーで9試合に登板して1勝1敗、防御率3・27。主にリリーフを務めていましたが、広島は先発の一角として補強しました。
契約金は30万ドル、年俸は70万ドルプラス出来高払いとなっています。
この記事を読めばアンダーソン投手の武器や活躍するためのポイントが丸わかりです!
エンゼルス大谷選手との対戦結果もあるので要チェックです!
アンダーソン投手の特徴・持ち球は?
アンダーソン投手は常時150キロ前後の直球にスライダー、チェンジアップ、カーブなどの制球も安定していることが特徴の選手です。評判通り、以下の動画からも全ての球種のコントロールが良いことが分かります。
スライダーやカーブは特に大きな曲がりをするわけではなく、真っ直ぐの力強さで勝負するタイプの選手でしょう。
注目の球種はチェンジアップ!
そんなアンダーソン投手ですが、私は”チェンジアップ”に注目しました。このチェンジアップが大きな武器となれば活躍間違いないでしょう。かつて広島で活躍することができたジョンソン投手、バリントン投手、コルビールイス投手もチェンジアップを駆使していたという共通の特徴があることからこのチェンジアップが活躍のカギと考えました。
動画をみたところストレートは平均148~152kmと前評判通りスピードのあるボールを投げることが分かります。そこで、そのストレートを活かすために重要となるのが「緩急」です。
そんな緩急をつけるために、チェンジアップは最適です。それは、チェンジアップはストレートとの組み合わせが抜群だからです。なぜストレートとの相性が良いかというと、チェンジアップはストレートと同じ腕の振りで投げる球速の遅いボールであるため、ストレートと併用することで打つタイミングが遅くなり、緩急で打者を惑わすことができるからです。
このチェンジアップとストレートの組み合わせを活かすことが、日本での活躍のカギとなるのではないでしょうか。チェンジアップの落ちはそれほど大きくなさそうですが、平均球速が135~141kmと緩急をつけるには十分のように思います。チェンジアップとのコンビネーションを活かしながら、基本的には速いストレートで勝負するということになりそうですね。
スライダーやカーブの曲がりがかなり大きいというわけではないため、スライダーとカーブは決め球というよりはカウントを稼ぐ球になると思います。カーブももちろん緩急をつける組み立てに使えますし、日本のボールとの相性が良く曲がりが大きくなるという可能性もあるので、その場合はカーブも大きな武器となることでしょう。
【コルビールイス投手とチェンジアップ】
150キロ台の直球に140キロ台のスライダー、チャンジアップやカーブも織り交ぜ、ストライク先行でなるべく少ない球数でアウトを取り、長いイニングを投げることを意識した。長丁場のペナントレース、調子が悪い日もあれば、コンディションがよくない時だってある。それでも気持ちを切らさず、必死に粘りのピッチングを心がけた。外角の効果的な使い方を覚え、打者の胸元も臆せず抉る。ルイスは広島でマウンドに上がり続けるうちに、先発投手として必要なスキルを身につけていく。
「終わった投手」から「広島エース」となったコルビー・ルイス。黒田の穴を埋めマエケンに時代をつなぎ「英雄」へ/平成助っ人賛歌【プロ野球死亡遊戯】(週刊ベースボールONLINE) – Yahoo!ニュース
【クリスジョンソン投手とチェンジアップ】
2年目に向け、油断は一切ない。昨季、防御率1・85でセ・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得したジョンソン。相手の研究が進むことは明白で、自身も改良、成長が必要なのは言うまでもない。そんな中、今キャンプで取り組んでいるのが昨季、相手打者を手玉に取った魔球とも言えるチェンジアップの、さらなる進化だ。キャンプ3日目の初ブルペンで試投を始め、この日が2度目のブルペン。48球中10球をリニューアル球の練習にあてた。
理想となるモデルはソフトバンク・マルティネス投手
上記の特徴を持つアンダーソン投手ですが、ソフトバンクに所属していたマルティネス投手とやや似ていると思います。今季は21試合に登板し防御率1.60、9勝4敗と活躍し、オリンピック決勝戦ではアメリカ代表の先発を務めました。
マルティネス投手は150キロ台中盤の力のある真っ直ぐとツーシーム、カットボール、ストレートと約20キロの差があるチェンジアップ、そしてカーブを武器とします。どの球種もハイレベルですが、特にこのカットボールとチェンジアップが強烈です。
以下の通り、今シーズンの球種配分ではストレートの次にチェンジアップの投球割合が多く、さらにチェンジアップの被打率が最も低いということが分かります。
アンダーソン投手はマルティネス投手のようにストレートと約20キロ差があるチェンジアップは投げることができないと思われますが、先述の通り緩急をつけるには十分だと思います。
マルティネス投手のように力強いストレートを軸にチェンジアップ、スライダー(カットボール)で打ち取るスタイルを確立できれば日本でもある程度活躍できるのではないでしょうか?
球種 | 被打率 | 被打数 | 被安打 | 被本 | 被四死 | 奪三振 | 空振率 | 見逃率 |
ストレート | 0.248 | 206 | 51 | 2 | 18 | 54 | 8.81% | 16.22% |
カットボール | 0.237 | 93 | 22 | 3 | 8 | 11 | 10.05% | 11.64% |
チェンジアップ | 0.119 | 126 | 15 | 0 | 4 | 66 | 34.21% | 9.21% |
ナックルカーブ | 0.278 | 36 | 10 | 1 | 3 | 5 | 7.77% | 28.98% |
ツーシーム | 0.233 | 43 | 10 | 0 | 5 | 2 | 5.08% | 9.04% |
あの大谷選手を三振に打ち取ることができるストレート!
色々と語ってきましたが、そもそものストレートに威力がなければ意味がありませんよね。
そんなアンダーソン投手のストレートですが、威力十分ということが考えられる対戦があります。それはエンゼルス・大谷選手との対戦です。アンダーソン投手は、今季大谷選手とメジャーリーグで対戦していますが、三球三振に打ち取っています。
大谷選手の対戦は、初球は148kmのストレートで空振り、2球目は120kmのカーブでファウル、そして3球目に149kmのストレートで空振りを奪い三振に抑えています。
今や日本を代表する打者となった大谷選手から1打席で2回の空振りを奪うことができるストレートなので、日本人バッターでもこのストレートを捉えることが出来る選手はなかなかいないでしょう。
アンダーソン投手の2021年の成績は?
アンダーソン投手は2021年は主にAAA(日本で言う二軍)での出場となりました。2021年のAAAでの成績はどうだったのでしょうか
試合 | 勝 | 敗 | 回数 | 奪三振 | 与四球 | 被安打 | 防御率 | WHIP | 奪三振率 | 与四球率 |
15 | 4 | 5 | 70.2 | 86 | 29 | 55 | 3.06 | 1.19 | 10.95 | 3.69 |
まず、注目したいのがWHIPです。WHIPは1投球回あたり何人の走者を出したかを表す指標で、先発投手であれば1.00未満なら球界を代表するエースとされ、1.20未満ならエース級、逆に1.40を上回ると問題であるとされています。ちなみに今季の広島で言うと、大瀬良投手がWHIP1.14、森下投手が1.20という成績を残しています。
アンダーソン投手のWHIPは1.19なのでエース級ということになります!AAAといえど、WHIPで良い数値を記録しているのは期待できるポイントですね。
一方で、心配な指標は与四球率です。与四球率とは与四球率とは投手が1試合(9イニング)完投したと仮定した場合の平均与四球数(出した四球の数)です。この値は投手の能力を評価する指標の1つであり、低ければ制球の良い投手と認識されます。今季の広島で見ると、大瀬良投手が1.90、森下投手が2.87、九里投手が3.08という成績になっています。
以上を踏まえてアンダーソン投手の与四球率をみると3.69と少し高いように思われます。上の動画ではコントロールも安定しているように見え、スポーツ紙でも制球力が売りと言われていますが制球力に過度な期待は禁物かもしれません。
制球力が悪い以外の与四球率が高かった原因を考えるとするならば、やはり「決め球となる大きな変化球がない」ことが挙げられるかもしれません。決め球がないため、打者に粘られて最終的に四球を与えるといったパターンが多かった可能性があります。
やはり、日本で活躍するためにはストレート以外に決め球となる変化球(=チェンジアップ)を磨く必要があるでしょう。
2021年はメジャーリーグでも主に中継ぎとして登板しているので、そちらの成績も記載します。
試合 | 先発 | 勝 | 敗 | 回数 | 奪三振 | 与四球 | 被安打 | 防御率 | WHIP | 奪三振率 | 与四球率 |
9 | 1 | 1 | 1 | 22.0 | 9 | 6 | 20 | 3.27 | 1.18 | 3.68 | 2.45 |
メジャーリーグでは試合数とイニング数が少ないこともありますが、与四球率は2.45とそこまでコントロールが悪いようには見えません。
変化球の曲がりもですが、ボールをうまくコントロールできるかも日本の球に合うかが関係してくるので、キャンプやオープン戦でのアンダーソン投手の投球に要注目ですね!
まとめ
今回は広島東洋カープが獲得を発表したアンダーソン投手について、個人的な考察をしてみました
以下がアンダーソン投手の注目ポイントです
【注目ポイント】
- 平均148km、大谷選手からも空振りを取れる威力のあるストレート
- クイックモーションも苦にしない投手
- 日本で活躍できるかはチェンジアップの使い方次第
- 制球力が売りという情報は本当なのか?
ここ数年の助っ人外国人先発投手はあまり活躍できる選手がいませんでしたので、アンダーソン投手には期待したいですね!
上記のポイントに注目しながら、アンダーソン投手のチーム合流を待ちましょう!
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