鈴木誠也選手のメジャー移籍が濃厚となり、カープの4番のメジャー挑戦が楽しみになるとともに、「鈴木選手はメジャーでも通用するのか?」と少し不安に思う方もいるのではないでしょうか?
この記事では以下について分析してみました!
- 鈴木誠也選手が得意としていた投手
- 鈴木誠也選手が苦手としていた投手
以上の分析を通じて、鈴木選手はどのようなタイプの投手が得意・苦手なのか考察したいと思います!これで、鈴木選手がメジャーでも通用するか少し分かるかと思います。
2021年度対戦成績がよかった投手ベスト5(対戦打席5打席以上)
対戦成績がよかった投手を発表する前に、「対戦成績がよかった」かについて分析する指標を決めようと思います。
安打の数で決めるのも本塁打の決めるのもいいかなと思いましたが、今回は総合的な相性の良さを見ようと思いOPSを用いて対戦成績がよかったかの判定をしたいと思います。
つまり、以下のランキングは対戦OPSランキングともよべます!
また、ある程度の打席数が必要となりますので、今回は5打席以上対戦のあった投手を対象としました。
今年鈴木誠也選手と5打席以上の対戦があった投手はセリーグに37投手いました。果たして、誰が最も打ち込まれていたのでしょうか!?なお、データは全てこちらのサイトを参照させていただきました。
2021年度 鈴木 誠也【広島】打撃成績詳細(対戦成績) (baseballdata.jp)
第5位:巨人・戸郷 翔征投手(対戦OPS1.615)
【巨人】6回2失点の戸郷は約1か月ぶりの3勝目…広島戦試合経過 : スポーツ報知 (hochi.news)
第5位は巨人の期待の若手右腕・戸郷投手でした!
戸郷投手とは今シーズン13打席の対戦で、9打数4安打1本塁打と相性が非常によかったことが分かります。特に、4つの四球を選んでいることから戸郷投手から鈴木誠也選手への苦手意識があったのではないかと思われますね。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
13 | 9 | 4 | 1 | 3 | 2 | 4 | 0 | .444 | 1.615 |
戸郷投手は今シーズン右打者の被打率が.203と右打者を比較的得意としていました。そんな投手相手に対戦打率.444といった好成績を残す鈴木誠也選手はさすがとしか言いようがありません。
平均球速が約150キロとスピードボールにも定評のある戸郷投手を苦にすることなく打てていることから、やはり鈴木誠也選手のストレートへの強さがうかがえます。
平均球速が日本より早いメジャーリーグでも、ストレートへの対応はあまり心配する必要がないかもしれません。
第4位:中日・大野 雄大投手(対戦OPS1.643)
中日大野雄大の連続完投6で止まる 誠也被弾に悔い – プロ野球写真ニュース : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
第4位は中日の大野雄大投手。今季は勝敗こそ7勝11敗ながら、リーグ3位の防御率(2.95)を記録するなど昨シーズンの沢村賞投手の名に恥じない好成績をおさめています。
そんな大野投手相手に鈴木誠也選手は8打席対戦し、7打数3安打1本塁打7打点と非常に相性の良い成績を残しています。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
8 | 7 | 3 | 1 | 7 | 2 | 1 | 0 | .429 | 1.643 |
大野投手といえば、最速151キロの速球を中心に特徴的なツーシームやスライダーを自在に扱う投手です。特にそのツーシームは強力で「魔球」とも呼ばれるほどです。その球を武器に今年の東京オリンピック準々決勝対アメリカ戦でも三者凡退に抑えるピッチングを披露しています。
このように、国際大会でも通用する日本を代表とする左腕を打ち込んでいる鈴木選手、やはり大物です。メジャーリーグではツーシームを操る投手が多くおり、そんな動く球へいかに対応するかが活躍するためのカギになると思います。
ツーシームを得意とする大野投手相手に好成績を残せる鈴木選手はメジャーリーグでも動く球に苦戦することはないのではないでしょうか。
第3位:中日・松葉 貴大投手(対戦OPS:1.841)
中日松葉が初黒星「唯一の失投」鈴木誠也に痛恨被弾 – プロ野球写真ニュース : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
第3位は同じく中日から選出、松葉投手です。今季は防御率3.20で、6勝5敗といった成績を残しています。被打率で見ると対右打者が.231で対左打者が.292と右打者を得意としていたことが分かります。
そんな松葉投手相手に鈴木誠也選手は9打席対戦し、7打数3安打2本塁打4打点とかなり打ち込んでいることが分かります。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
9 | 7 | 3 | 2 | 4 | 0 | 2 | 0 | .429 | 1.841 |
松葉投手はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップをバランスよく投げる投手で、特にチェンジアップの被打率が.141と有効なボールであることが分かります。
(データ参照:2021年度 松葉 貴大【中日】投手成績詳細(カウント別・球種配分) (baseballdata.jp))
松葉投手のような左腕技巧派投手はあまりメジャーにはいないと思われますが、右打者にとって左投手の投げるチェンジアップは自分の体から逃げていく球になるので厄介で、なかなか打ちにくいです。
しかし、鈴木選手はそれも苦にせず松葉投手から2本塁打と好成績を残しているので、この対応力の高さをメジャーリーグでも発揮してくれるのではないでしょうか?
左投手の投げるチェンジアップと言えば、カープの森浦投手が投げるチェンジアップも右打者に非常に有効的で、対右打者の被打率はわずか.158でした!
第2位:巨人・菅野 智之投手(対戦OPS:2.105)
巨人・菅野が復帰登板で粘投も…「責められないし、打線の援護がないと」 | BASEBALL KING
第2位にはなんとなんと、球界を代表する投手の巨人・菅野投手がランクインです!
たしかに今年は、菅野投手からよく打っているなとは感じていましたが第2位にランクインとは驚きですね。
そんな菅野投手を相手に15打席対戦し、14打数7安打5本塁打7打点と打ちに打ちまくっています!さすが我ら広島の4番打者!
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
15 | 14 | 7 | 5 | 7 | 0 | 1 | 0 | .500 | 2.105 |
15打席の対戦で5本もホームランを打っているのはえげつないですね。単純に3打席には1回ホームランを打っていたことになるので、菅野投手が投げた試合はほぼ確実に鈴木選手はホームランを打っていたということになります。
菅野投手と言えば昨シーズンのポスティング宣言時にもメジャー数球団が獲得に興味を示すなど、メジャーでも通用すると考えられる投手です。
最高球速155km/h、平均球速も約147km/hとストレートが速いうえ、 変化球もすべて一級品で、 特にそのスライダーは消える魔球とも呼ばれるほど大きな曲がりをします。
打者からすると、真っ直ぐも早く魔球のようなスライダーがあればどちらに狙いを絞ればいいか分からず、狙いを絞ったとしても打てる確率は低く非常に厄介な投手に違いありません。
そんな菅野投手を相手に鈴木選手は今年、打って打って打ちまくりました。
世界でも通用するような投手を打ち崩したということは、メジャーリーグの投手相手にもある程度の成績を残せるのではないでしょうか?
「消える」菅野の魔球スライダー…腕振り縦で真横に – プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
第1位:ヤクルト・サイスニード投手(対戦OPS:2.600)
広島―ヤクルト。力投するヤクルト…:ヤクルト先発のサイスニード プロ野球:時事ドットコム (jiji.com)
1位に輝いた(?)のは、おひげが特徴的なヤクルト・サイスニード投手です!
2021年鈴木選手は、メジャーでも通算26試合の登板経験があるサイスニード投手を最も得意としていました!
対戦成績は打席数が5打席と今回の分析上ギリギリですが、3打数2安打1本塁打2打点と対戦すればほとんど高確率でヒットを打っていたということになります。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
5 | 3 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | .667 | 2.600 |
サイスニード投手は最速155km/h、平均149km/hのカット気味の速球を主体とし、変化球はカーブと縦のスライダーを投げる投手です。
今年は、その速球を武器に6勝2敗という好成績を上げ、先発ながら奪三振率9.04とその奪三振能力の高さが特徴的です。
メジャーリーグでも投球イニングを上回る奪三振数を記録しており、その奪三振能力は素晴らしいものがある投手です。
そんなサイスニード投手を相手に鈴木選手は、1つも三振をせずに上記の通りの好成績をあげています。メジャーリーグでも登板経験のある投手を全く苦にしていないのは素晴らしいですね!やはりメジャーリーグの投手相手にも通用するのではないかと、期待を抱かせてくれます!
そんなサイスニード投手ですが、すでに来季の契約をヤクルトと結んでいます。しかし、今年はすでに帰国しているため日本シリーズでの登板はかないません。
2021年度対戦成績が悪かった投手ワースト3(対戦打席5打席以上)
続いては、今年鈴木誠也選手が苦手としていた選手をご紹介。こちらは対戦打席数が少ない投手が上位を占めたあり、3位までの発表とします。
第3位:巨人・山口 俊投手(対戦OPS:.347)
【写真】巨人出戻り山口俊の「前途多難」 桑田コーチ、菅野との相性も懸念|NEWSポストセブン (news-postseven.com)
鈴木選手が今年苦手としていた投手の一人は、シーズン途中にメジャーリーグから巨人へ戻ることとなった山口投手です。9打席対戦し、8打数でわずか1安打に抑え込まれています。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
9 | 8 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | .222 | .347 |
山口投手と言えば力強い真っ直ぐと落差の大きなフォークボールが武器です。今シーズンもそのフォークボールの被打率はわずか.169と強力な威力を発揮していたことが分かります。
そのフォークボールを操る山口投手を鈴木選手は苦手としていたようですね。もしかすると、山口投手のような落ちる球を武器とする選手があまり得意ではないのかもしれません。
ただ、得意としている菅野投手の落ちる球も一級品ですが、その菅野投手を苦手にしていないことから、一概に「落ちる球に弱い」と言えないとは思います。メジャーリーグの投手が投げる落ちる球にも鈴木選手ならば対応できると期待しましょう!
あの大谷投手も速く鋭く落ちる球を武器としていますね。大谷投手と対戦することがあれば、その落ちる球にどう対応するか要チェックです!
第2位:DeNA ・大貫 晋一投手(対戦OPS:.286)
DeNA・大貫、自己最多の7勝目 七回途中1失点にラミレス監督も絶賛/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
第2位はDeNAの大貫投手です。昨シーズンは10勝を上げるなど、DeNA期待の右腕です。
そんな大貫投手を相手に7打席対戦し、7打数1安打とほとんど完璧に封じ込まれています。さらにその1安打もシングルヒットなので、OPSも低くなっています。
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
7 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .143 | .286 |
大貫投手は平均球速が140~144km/hとあまり速くありませんが、2種類のツーシームと、空振りを狙うスプリットを投球の軸としている投手です。
参考:変化球誌上レクチャー DeNA・大貫晋一『ツーシーム』「カウントを稼ぐ、ゴロを打たせる」 | 野球コラム – 週刊ベースボールONLINE (findfriends.jp)
そんな大貫投手相手にわずか1安打でしたので、よっぽど大貫投手のツーシームが苦手だったのではと考えられます。
上述の通り、メジャーリーグではツーシームのような動く球を主に投げる投手が多くいます。大貫投手のようなツーシームを投げる投手もいることが予想されるので、メジャーリーグで大活躍するにはそういったツーシームにも慣れていく必要があるかもしれません。
左腕・大野投手のツーシームとは違い、右腕の投げるツーシームは右打者の体にストレートとほぼ同じスピードで食い込んでくるので対応が難しいですが、鈴木選手は常に進化する選手なので、すぐに対応すると思います!
第1位:ヤクルト・マクガフ投手(対戦OPS:.200)
ヤクルト、マクガフ&スアレスとの契約延長が濃厚 – プロ野球写真ニュース : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
2021年鈴木選手が最も苦手としていた投手は・・・ヤクルトの守護神・マクガフ投手です。
今季のセリーグ覇者・ヤクルトで守護神を務め、さらにオリンピックアメリカ代表の守護神も務めたマクガフ投手相手に鈴木選手は手も足も出ませんでした。
わずか5打席の対戦ではありますが、3打数無安打といった成績に抑えられています。マクガフ投手の対チーム別成績を見ても、対カープ戦だけ無失点だったのでチームとしてマクガフ投手を苦手としていたことが分かりますね
打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 2塁打 | 四球 | 犠飛 | 対戦打率 | 対戦OPS |
5 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .000 | .200 |
マクガフ投手は平均球速が150km/hの直球を主体に、鋭いカットボールを有効に使うことで打者を抑える投手です。そんなマクガフ投手相手に鈴木選手は今シーズン安打を放つことができませんでした・・・(もちろん打席数が少ないことも原因の一つですが)
メジャーリーグではマクガフ投手より速い球を投げ、鋭いカットボールを武器にする投手が多くいます。
メジャーリーグで活躍するダルビッシュ投手もこのカットボール(カッターと呼ばれる球)を武器にしており、カッターをメインに投球を組み立てるほどです。
さらに、今年4月9日にメジャーリーグでノーヒットノーランの偉大な記録を打ち立てたパドレスのジョー・マスグローブ投手もカッターを中心とした投球をしたことが、ノーヒットノーランを達成した要因の一つと考えられているようです。
このように、メジャーリーグでは今この「カッター(カットボール)」を投げることが主流の一つになりつつあると考えられます。
この球を打てなければ、メジャーで好成績を残すことは難しいと思いますので、もしも鈴木選手がマクガフ投手のカットボールを苦手としていたのであれば、カッターへの対応が活躍のカギを握ることになるかもしれません。
鈴木誠也選手ならばこの「カッター」へもすぐに対応してくれることでしょう!ダルビッシュ投手との対戦も楽しみですね!
ダルビッシュは件の今季初勝利の際、「自分から唯一、取られて困るのはカッターです」とその重要性を口にしているが、たとえば「投手の基本は真っ直ぐ」などというような伝統的な考えや常識に縛られていると、そういう発想にはならないだろう。
ダルビッシュ有も「唯一、取られて困る」…メジャーで“カッター”急増中? “投手の基本は真っ直ぐ”に縛られない投球術(3/3) – MLB – Number Web – ナンバー (bunshun.jp)
まとめ
今回は鈴木誠也選手がメジャーリーグで活躍できるかを、2021年シーズン得意・苦手としていた投手の特徴を基に分析してみました。
色々見当違いなこともあるかもしれませんが、一つのデータとして楽しんでいただけたらと思います!
【鈴木誠也選手の分析まとめ】
- 速い球への対応は問題なさそう
- 対左腕のツーシームへの対応も問題ない
- 鈴木誠也選手は全体的に適応能力が高いことが分かる
- メジャーリーグの主流となりつつあるカットボールへの対応力が問われるか
鈴木誠也選手はこれまで度重なる成長を遂げて我々カープファンを喜ばせてくれました。なので、現時点で苦手なボールがあるとしても鈴木選手なら克服するでしょうし、今得意としているポイントももっともっと伸ばしてメジャーリーグで活躍することを期待しています!
これまでの鈴木誠也選手の成長過程などはこちらの記事で読めるので、ぜひこちらもご覧ください!【カープ】メジャー挑戦へ!鈴木誠也選手の活躍まとめ①~神ってる誠也誕生まで~
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