カープの堂林翔太選手が1月6日に解放されたマツダスタジアムへ1番乗りし、自主トレを行いました。
昨シーズンはわずか70試合の出場にとどまり、打率.190、0本塁打5打点と散々な結果に終わった堂林選手。今季はチームの中心選手として勝利に貢献するために、巻き返しを図ります。
鈴木誠也選手がメジャー移籍となると、右の長距離砲がいなくなってしまうので高卒3年目のシーズンと2020年シーズンにおいて14本塁打を放つなど、長打力もある堂林選手にかかる期待は大きくなります。
この記事では、堂林選手が2021年不振に陥ってしまった原因を分析し、今季はどうしたら復活できるかをまとめています!
堂林選手は私の大好きな選手の一人なので、今季は必ず復活してくれると期待しています!
オフは長打力に磨きをかけるためにバットを振り込む
広島・堂林がマツダスタジアムに一番乗り「1年間、戦力になれるように」/広島カープ/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
堂林選手も昨季の自身の成績に当然満足しておらず、シーズン中に獲得したFA権を行使せずカープへの残留を早々に決めると、契約更改後には「実力不足。こういう成績なので、オフにしっかり準備して、また来年頑張りたい」と語りました。広島・堂林 逆襲へ「長打力に磨きかけたい」メジャー移籍の誠也の穴埋める覚悟の誓い、現状維持でサイン― スポニチ Sponichi Annex 野球
オフの準備は具体的には「長打力に磨きをかける」ことのようです。中でも”逆方向への長打”を打てる力を向上させることを意識しているようです。
堂林選手と言えば元々センターからライト方向いわゆる逆方向への長打が魅力的な選手です。下の動画は2020年に横浜のパットン選手から打った逆転満塁ホームランですが、パットン投手の速い球を見事バックスクリーンに打ち返しています。こういった打球こそ本来の堂林選手の持ち味です。
しかし、2021年の成績に限ってみると放った26安打のうち、右方向は7本、センター方向が6本、残り半分が左方向への打球と引っ張り方向への安打が多いシーズンでした。
ましてや0本塁打なので持ち味である逆方向へのホームランが一本もありませんでした。
この右方向への長打力を取り戻すことを念頭にオフの打力向上に取り組んでいるようです。
今季は打撃3部門で自己ベストをマークした昨季から一転、「7番三塁」で開幕を迎えながら出場70試合で打率・190、0本塁打、5打点と低迷。鈴木誠のメジャー挑戦で、来季は長打力を秘める右打者の需要が増すだけに「自分もそこに磨きをかけたい。基本に戻ってセンターから右方向。今季は左への打球が多かったので改善したい」と力を込めた。
広島・堂林 逆襲へ「長打力に磨きかけたい」メジャー移籍の誠也の穴埋める覚悟の誓い、現状維持でサイン― スポニチ Sponichi Annex 野球
それでは、なぜ昨季は持ち味の右方向への長打・安打数が減ってしまったのでしょうか。
その原因として3点ほど考えられます。
左肩が入りすぎてしまう課題
一つ目は技術的な面で、「左肩が入りすぎている」ことが原因であると考えられます。
「左肩が入りすぎている=上半身をひねりすぎている」とも言えます。上半身を捻りすぎるあまり、ボールを長く引き込んでしまい差し込まれる、振り遅れるなどバットが出てこない状態となります。
その他にも、捻りすぎることによってバッティングのトップが崩れてしまうこともあります。堂林選手が4年目の2013年には、この”トップ”に関して新井元打撃コーチから指導を受けています堂林に緊急メス!監督&コーチ陣総出/carp/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
この「左肩が入りすぎている」ことに関してはカープOB 高橋慶彦氏のYoutubeチャンネルにおいて同氏と阪神OB の掛布氏も指摘しています。
では、なぜ左肩をいれすぎるのでしょうか?それは「右方向への意識が強すぎる」ことが原因だと考えられます。
元々堂林選手は他の選手よりも捻りが大きく、そのため逆方向へ長打を量産できる選手ですが、昨季は逆方向を意識するあまり、好成績を残せた2020年よりも捻りが大きくなってしまっていたことが考えられます。
2020年の打球方向別打率を見ると左方向が『.218』、中方向が『.284』、そして右方向が『.469』と、右打ちが好結果につながったことが表れています。広島・堂林は“右打ち”にこだわり過ぎ? 掛布氏が不振の原因を指摘、同じ悩みの選手は指導者時代にも | エンタメウィーク (docomo.ne.jp)
この2020年の体験を意識するあまり、無意識のうちに体の捻りが大きくなっていたのかもしれません。その結果、振り遅れや引っかけた打球が増え、右方向への安打どころかそもそもの安打数が減ってしまったのではないでしょうか。
今オフでは、この”捻りすぎ”のフォームを見直し、左肩が入りすぎていないフォームを取り戻す必要があるかもしれません。
精神的な問題
堂林選手が2020年に好成績を残せた要因の1つとして「積極的に打ちにいくことができていた」点も考えられます。「狙い球を絞ってその球がくれば迷うことなく、打ちにいく」といったスタイルのおかげでキャリアハイの成績を残すことができたと思います。
しかし、昨季はその積極性も見られずどこか迷いがあったように感じました。
初球から打つ場面こそありましたが、「本当にその球を待っていたの?」と思われるような思い切りのないスイングとなっていたため、中途半端な打球が多かったのではないでしょうか。
個人的に印象に残っているのは開幕3試合目となる2021年3月28日の中日戦、0-0の9回裏に中日祖父江投手から2アウト満塁と1打出ればサヨナラのチャンスで堂林選手に打席が回ってきます。
この打席、初球の内角厳しめのシュートを空振りすると、2球目の外角のストレートをファウルとし2球で追い込まれてしまいます。そして3球目、初球と同じような内角のシュートを空振りし三球三振となり試合終了となりました。
この打席、堂林選手にはどこか迷いがあったように思います。この打席のチャンスボールは2球目のストレートでしたが、堂林選手はファウルにしてしまいました。2020年の堂林選手であれば迷うことなく逆方向へ打ち返せた球に思いますが、一球目のシュートを考えるあまり迷いが生じたため空振りしたように見えました。
そして、三振に打ち取られたボールもファウルなどで逃げることができたように思いますが、こちらも迷いが生じたためかあっさり三振にきってとられました。
この試合のこの打席を見て、「今年の堂林選手は2020年と違うかも」と不安を抱くようになりました。
この精神的な問題については、カープOB の北別府氏も指摘しています。「2020年は狙い球を決めて初球から仕留めにいっていたが、2021年は本人に迷いがあり何を狙っているか全く見えなくなっている」「今年は2020年を思い出し、初球から狙い球を絞って積極的に打ちにいこう」とキャリアハイの成績を残した2020年の積極性を取り戻すように提言しています。
堂林は2020年に立派な数字を残しながら、どうして昨年はああなったかね。
20年に見せた打撃で、それまでと変わったと感じた点は、狙い球を決めて初球から仕留めにいっていたところにある。
思い切ったスイングができていたから長打も放っていた。凄いな、よくぞカベを乗り越えて成績を残せるようになったなと、感心していたもんですよ。
でも今は、どう打ちたいのか、何を狙っているのか、どのように考えているのか、本人に迷いがあって、まったく見えなくなっている。
最もシンプルに自分のいいところを見極める。そして人のよさを捨てて、迷いも捨てれば必ずやまたやれるはずだ。
今年で13年目になるが、そのわりにはバッティングがまだ“若い”よね。ベテランの域に近づいているのに“こんな球に手を出すか”というようなボール球を振っている。焦りもあるんだろう。精神的な問題かもしれない。
今年は2年前を思い出し、初球から狙い球を絞って積極的に打ちにいこう。投手がボールを置きにいかず、腕を思い切り振るのと同じように、しっかりとしたスイングをする。強いスイングで迷いを振りほどこうよ。
カープ土俵際の男 危機迫る堂林に激辛アドバイス 北別府氏「最も厳しい立場にある」/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
バッティングでは受け身になってもメリットはありません。2020年のように再び迷いのない積極的な打撃を取り戻してほしいですね!
開幕前のコンディション不良の影響か
こちらは以前の記事でも記載させていただきましたので、詳しくはそちらの記事をチェックしてください!広島カープ2021シーズン振り返り①期待外れに終わった中堅~ベテラン選手 来季の巻き返しに期待
2021年の開幕前も堂林選手はシーズン前の練習試合・オープン戦では順調な仕上がりを思わせる成績を残していました。
しかし、開幕前にコンディション不良が発覚すると、開幕前の関東遠征にも不参加になるなど開幕前の重要な時期に調整ができない事態になりました。
最終的にオープン戦最後のソフトバンク戦で実戦復帰し、開幕一軍スタートが決まった堂林選手でしたが、どこか万全な状態ではなかったように思います。
こうして開幕前のコンディション不良が完治しないまま試合に出続けた結果、思うような成績とならずコンディション不良もなかなか完治しないという悪循環に陥っていたのだと思います。
シーズン中もなかなか状態が上向くことはなく、2度の二軍降格を味わいます。ただ、2回目の2軍降格時にはいい調整ができたのではないかと思います。
二軍でコンディションをじっくりと整えながら調整することで、本来のバッティングを取り戻しつつあったのかもしれません。
実際に二度目の二軍降格の際には以下の動画のような”堂林選手らしい”逆方向へのホームランも見ることができました。
今季は万全の状態で開幕を迎えて、本来の右方向への長打を量産してチームに貢献してくれることでしょう!
9月21日、24日、25日と短期間でホームランを量産していました!シーズン終盤になってようやく本来の姿を取り戻していたのかもしれません。
1月には3年連続となる鈴木誠也選手との合同自主トレを実施へ
堂林 打者一巡6点の猛攻けん引 広島が痛快10点G連倒!誠也とプリンスジャンプ/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
打撃の復活を目指す堂林選手は1月13~24日まで沖縄県内で鈴木誠也選手らと合同自主トレを実施する見込みです。
堂林選手は2020年から鈴木誠也選手と合同自主トレを実施しており、この2020年の鈴木誠也選手との合同自主トレが堂林選手飛躍の一因でした。
この合同自主トレで、後輩の鈴木誠也選手へアドバイスを求め、鈴木誠也選手からの「右中間をセンターだと思って打てばいい」といったアドバイスで堂林選手は覚醒します。
これが体を捻って打つ堂林選手にピッタリはまり、こうした意識をもつようになって打撃が開眼したと堂林選手本人も語っています。広島 堂林翔太選手「待ち望んだ復活」 | NHKスポーツ
昨年の合同自主トレでも体重移動などの助言を受けていたようで、後輩とはいえど今や日本を代表する打者となった鈴木誠也選手から直接指導されるというのは非常に貴重な機会だと思います。
今年の合同自主トレでも鈴木誠也選手から何かを学んで、来季の復活へつなげてくれるはずです!
2022年チームの躍進のためには堂林選手の復活が必要不可欠
冒頭でも記載しましたが、鈴木誠也選手が退団し右の長距離砲がいなくなると同じ右打者で長打力のある堂林選手にかかる期待も大きくなります。
正随選手や中村奨成選手といった期待の右打者や新助っ人のマクブルーム選手、ルーキーの末包選手、中村選手といった長打も打てる右打者はチームに多くいますが、これらの選手は全員一軍での実績はまだありません。
そんな中、堂林選手は一軍で2シーズンも14本塁打を放ったことあるなど実績もある選手なのでその分期待してしまいます。
年齢も31歳、プロでの年数も13年目と中堅の域に突入しているので、その自覚をもってチームを引っ張っていってもらわなければなりません。
逆方向への長打をうつことができるという持ち味を発揮し、今シーズンは長打を量産してくれることに期待です!
まとめ
今回は2022年に巻き返しを図る堂林選手について特集しました。
2022年のチームの躍進のために堂林選手の力は必要不可欠ですし、堂林選手であれば今季完全復活してくれることでしょう!
今後のキャンプ、実戦での堂林選手の状態に注目していきたいと思います!
堂林選手を含んだ各選手の開幕前最後の競争となるオープン戦の日程や様々な媒体での視聴方法、チケットの入手方法・販売時期をまとめた記事もあるので、オープン戦が始まる前にぜひご確認ください!
【2022年】カープ・オープン戦日程発表!オープン戦全試合を視聴する方法まとめ!チケットの発売日はいつから?
堂林選手のライバルと考えられるマクブルーム選手や末包選手の特徴・課題をまとめた記事もあるのでそちらもチェックしてみてください!
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堂林選手が合同自主トレを実施する鈴木誠也選手がメジャーで活躍できるかどうかを2021年の対戦投手から分析した記事もあります。メジャー移籍が決定する前に一度チェックしてください!
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