2022年シーズンは宇草選手の1番打者構想が首脳陣の中にあることが判明しました。
2021シーズン終盤も1番打者として活躍を見せてくれた宇草選手、来季はシーズンを通しての1軍定着が期待されます。
そんな宇草選手について詳しくなりたいという方のために、以下についてまとめています
- 宇草選手の持ち味は?
- 来季1番定着なるか?
- 守備では送球が課題?イップスなのか?
宇草選手の持ち味
広島の宇草、大盛ら若手野手の積極性を北別府氏が高評価「来年への財産になる」/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
2019年ドラフト2位でカープに指名された宇草選手、来季は大卒3年目のシーズンを迎えます。
1年目から一軍出場し、2年目の今季は田中将大投手からプロ初本塁打を放つなど、ここまでインパクトのある活躍をみせています。
今シーズン終盤は一軍再昇格後の10月5日に1番打者としてスタメン出場し、マルチ安打活躍を見せると、その後はシーズン最終戦までの全18試合を1番打者として出場しました。1番打者として、チームのCS争いに大きく貢献してくれたのが印象的です。
以下の成績を見てもわかる通り、2年目は飛躍のきっかけになるであろう年とも言えるでしょう。今後のさらなる活躍に期待が持てますね!
シーズン | 打席 | 打数 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
2020 | 47 | 43 | .256 | 0 | 3 | 3 | 3 | .319 | .326 | .645 |
2021 | 158 | 148 | .291 | 4 | 14 | 6 | 6 | .331 | .432 | .763 |
パンチ力のある打撃が魅力
宇草選手の魅力の一つは長打を打てる打撃力です。長打も打つことができ、パンチ力のある打撃力は惚れ惚れしますね。
下の動画は10月16日の巨人戦で放った、自身初の先頭打者ホームランです。
CS争いを繰り広げる巨人との直接対決で、左腕・高橋投手から打ったこの特大ホームランにはファンもチームも勇気づけられました。
左腕からここまで大きなホームランを打てる宇草選手のパワーは非常に魅力的ですね。
この試合では、鈴木誠也選手からのアドバイスもあったようです。
「誠也さんから“練習通り”と助言をもらっていたので、練習通りに打つことができた。(森下)暢仁を援護することができて良かったです」
行くぞ奇跡の逆転CS! 広島・宇草のプロ初先頭打者弾から一挙4点 速攻促した誠也の助言とは― スポニチ Sponichi Annex 野球
”練習通り”ということは練習でもこのような大きな打球を飛ばしているということになりますね!宇草選手さすがです!
また、具体的な数字で見ると規定打席未達ながらOPSと長打率が優秀です。
今季のカープの規定到達打者5名と宇草選手のOPS、出塁率、長打率を以下にまとめています。
OPS | 出塁率 | 長打率 | |
鈴木誠也 | 1.072 | .433 | .639 |
坂倉将吾 | .857 | .390 | .467 |
菊池涼介 | .762 | .333 | .429 |
西川竜馬 | .733 | .335 | .399 |
小園海斗 | .718 | .320 | .399 |
宇草孔基 | .764 | .331 | .432 |
こちらを見ると、宇草選手のOPS、長打率はチーム3位の菊池選手より高いことがわかります。
もちろん打席数が少ないため、規定打席に立った時にこのままの数字ではないと思いますが、約160打席立ってある程度の成績を残しているので、非常に期待が持てます。
来季は鈴木誠也選手が退団し、チームとして長打が減ることが予測されるので、高い長打率を誇り豪快な一発を放つ力もある宇草選手に大きな期待がかかります。今季61打席もOPS.830はチーム3位相当!“鈴木誠也の穴”を埋めるのはあの選手!?(広島アスリートマガジン) – Yahoo!ニュース
足の速さも魅力的!
宇草選手といえば足の速さも魅力的です。
この足の速さがあるため、1番打者として固定するというプランが生まれたのではないでしょうか。
下の動画は10月21日の試合で宇草選手がランニングホームラン(正確にはヤクルト塩見選手が後逸エラーをしたため、1ヒット+1エラーですが)を打った場面です。
こちらの動画では、0:20ごろからの宇草選手のベースランニングの速さに注目してほしいです。
宇草選手は1塁ベースあたりでいったんスピードを緩めていますが、塩見選手の後逸を見るとすぐに再加速しています。この再加速からトップスピードに入るまでがとても早いです。
さらに、トップスピードに入ってからのベースランニングも素晴らしく、スピードを落とすことなく、最短距離でグラウンドを一周しており、宇草選手の足の速さ・走塁技術の高さがわかります。
おそらく、宇草選手でなければランニングホームランとなっていなかったのではないでしょうか。
ただ、課題として考えられるのは盗塁技術の低さでしょう。
今年は6盗塁成功していますが、失敗が5つもあります。成功率50%程度では盗塁を仕掛けるメリットがあまりありません。
盗塁には足の速さの他に、スタートやスライディング技術も必要となります。1番打者として起用されるのであれば、盗塁を仕掛ける場面が多くなると思いますので、今オフに盗塁技術も磨いてほしいと思います。
現役のカープ選手でいうと堂林選手の盗塁技術が非常に高いです。足はそこまで速くありませんが、スタートがうまいため昨シーズンは17盗塁4失敗と非常に高い盗塁成功率でした。
打撃ではかかと体重が課題か?
そんな長打力が魅力的な宇草選手ですが、まだまだ課題もあります。
その課題は、入団当初からの「スイング時に両足がかかと体重になる」という癖です。
かかと体重になると、逃げ腰になるため強いスイングができなくなりますし、アウトコースの速いボールをヒットにすることができなくなります。
入団当初よりかかと体重になっている場面は減っていますが、凡退した打席ではかかと体重となり当てただけの内野ゴロになっていることが多く見受けられました。
凡退の打席を減らし、鋭い打球を増やすためにもこの”かかと体重”は今オフも課題になるでしょう。
スイング時に両足がかかと体重になる傾向を踏まえ、この日は台の上でのティー打撃や、つま先に力を入れた状態を意識するため、ジャンプしてからスイングする練習を繰り返した。森笠2軍打撃コーチは「(かかと体重だと)逃げ腰の弱いスイングしかできない。しっかり振りにいける姿勢を足から作って」と意図を明かした。
広島ドラ2宇草、試してハッケン!再現性上げる打撃フォーム習得へ試行錯誤/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
他球団の選手からも来季の活躍が期待される!
長打力もあり足も魅力的な宇草選手ですが、他球団の選手からもブレイクが期待されています。
NEXTブレイク選手!【100人分の1位番外編】という企画で、阪神・近本選手が宇草選手を「 NEXTブレイク選手」に選んでいます。
他球団の選手、しかも同じ外野手の近本選手から期待されるというのは嬉しいですね!
近本選手も宇草選手の「足の速さと長打力」が魅力的と語っています。来季の宇草選手のブレイクにますます期待が持てますね!
宇草選手は来季1番定着なるか?
以上のような特徴をもつ宇草選手ですが、来季1番定着となるのでしょうか。
迎打撃コーチ、朝山打撃コーチはともに宇草選手を来季の1番最有力として挙げています。
広島の首脳陣が宇草に「1番奪取指令」を出した。来季は全打順が流動的となっている中で、迎打撃コーチが「塁上でかき回せる宇草が1番の筆頭。1番・宇草、2番・野間なら、こんなに面白い打線はない」と言及。野間らを差し置いて1番最有力に挙げられた。
2年目の今季は規定打席未到達ながら打率・291を残し、10月上旬からは18試合連続で1番に定着した。ただし広島では今季計10選手が1番に入っており、巨人と並ぶリーグ最多。昨季に続いて1番を固定できなかった現状に、朝山打撃コーチも「宇草に期待したい。今年の4本塁打どころか、さらに打てる能力がある」とキーマンの一人に挙げた。
広島・宇草に“特大”クリスマスプレゼント 首脳陣が1番構想、2番・野間と「こんな面白い打線はない」― スポニチ Sponichi Annex 野球
長打も打て、足の速さも魅力的な宇草選手が1番に固定されると非常におもしろい打線になると思います。1番から長打も打てる打者がいると相手投手も怖いですからね。
さらに、塁に出るとあの足があるので投手は警戒しないといけなくなります。相手にとっては非常に嫌な1番になるのではないでしょうか。
より理想の1番打者になるためには出塁率をさらに上げる必要があります。参考までに他球団の1番打者の2021年シーズンの出塁率を記します。
- DeNA桑原選手:.369
- ヤクルト塩見選手:.357
- 阪神近本選手:.354
- 宇草選手:.331
上記の通り、他球団で1番に固定されている選手の出塁率は.350以上になっていますので、宇草選手も1番に定着するというのであれば.350の出塁率が必要になってくるでしょう。
ただ、宇草選手は”初球から振りにいける”という良さもあるので、出塁率を意識するばかり四球狙いの消極打法にはなってほしくないですね。
積極に打ちにいきながらもボール球には手を出さないという高度な技術を身につけて、出塁率を向上させてほしいです!
宇草選手は送球が課題?イップス疑惑?
宇草選手でよく話題にあがるのは、「宇草選手はイップスなので、外野からの返球がおかしい」ということです。
まずは、実際の映像を確かめてみましょう。
こちらの動画では、打球を処理して内野の中継への送球が3回程度バウンドしています。本来、外野のあの位置から内野までの返球ですとノーバウンドかワンバウンドですが、宇草選手は下にたたきつけ途中からはゴロのような送球になっています。
このような”下にたたきつけた送球”が宇草選手には多く見られるので、「イップスではないか」と疑われています。
正直なところ「イップス」かどうかは本人以外に分からないと思います。個人的には、技術的な面での問題も大きいのではないかと考えています。
そもそもイップスというのは「近い距離への送球」において多く見られる症状で、外野からの送球といった長い距離を投げる場合に発症することはあまり耳にしません。
さらに宇草選手の場合ボールを下にたたきつけるようになってしまうので、リリースポイントがおかしいなどの技術的な問題が大きいことが考えられます。キャッチボールなどではきちんと送球できていますしね。
そんな宇草選手の送球について、鈴木誠也選手が次の通り分析しています。
マシン打撃の後は打撃投手を務め、その後はスローイング指導。宇草の守備について、ユニークなたとえで説明した。「(彼は)性格的に慌てる癖がある。人生において慌てるのは何もかも良くない。時間に追われて何かをすると、何か一つ忘れたりすることがある。それは打撃も守備も一緒で、余裕を持って行動すればいい」
キャッチボールでは送球自体に問題はないという。だが、試合になれば走者を刺したい焦りから、練習通りの送球ができていないと分析。その上で本人の性格も踏まえ、改善へのキーワードが「慌てない」という言葉だ。
「一つ慌てることで(今まで)できていたこともできなくなるのが感覚的なモノ。『そこは考えておかないと、いいモノが消えちゃうよ』と伝えた。とにかく時間(に余裕)を持って行動しろと」
宇草は昨年に右腓骨(ひこつ)を手術。今オフはその際に入れたプレート除去の手術を受けた。リハビリが4日に終わったことで、この日の“誠也塾”が実現。「誠也さんは、『全部つながっている』と考えている。何げないところで掛けてくれる言葉が(他と)少し違って、そういうところも見ているんだなと。いい意味で痛いところを突かれる」と感謝しながら振り返った。
今季は43試合に出場して打率・291、4本塁打。俊足に加えて一発長打を打てる魅力もある。だからこそ、守備力向上がレギュラー奪取には不可欠。鈴木誠は「アイツは打撃には自信があるので打席では余裕がある。それはいいんです。ただ、いくら打てても守備がダメだと試合に出られませんからね」と叱咤(しった)激励した。
広島・鈴木誠 宇草に金言 マンツーマン自主トレで熱血指導 チームの未来託す/広島カープ/野球/デイリースポーツ online (daily.co.jp)
鈴木誠也選手の分析によると、宇草選手は守備の時に「慌てる」癖があるため、思い通りの送球がいかないのではないかという分析です。
レーザービームで正確な送球を投げることができる鈴木誠也選手の分析なので、信頼感がありますよね。
宇草選手には「慌てない」ことを意識して、正確な送球が投げれるように課題を克服してほしいですね!
同じ外野手の鈴木誠也選手が日本にいる間に、いいものを多く学んでほしいですね!
まとめ
今回は来季の1番打者として期待されている宇草選手についてまとめてみました。
来季は大卒3年目となり、さらなる活躍も期待されます。
長所の長打力・足の速さを活かしてスタメン定着するためにも、課題の送球やかかと体重を今オフで克服してほしいですね。
宇草選手が1番固定となれば、非常に攻撃的な打線になることが期待できます!来季のオーダーが楽しみですね!
宇草選手と同じタイプの野間選手も1番打者の候補になると思います。野間選手に関する記事もあるのでぜひご覧ください↓
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また、同じ左打者の坂倉選手の適正打順についても分析しているのでぜひご覧ください!
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